洋服の「糸」すごい製法。創業110年の会社が作り出す「技(ワザ)」
【原綿倉庫】紡績で使う綿が置いてあります。
綿は輸入で入ってきてすぐに使用する一部をここに持ってきて保管しています。
ここにある綿は圧縮の梱包された状態になり
保管する時も「オーガニックの綿」と「オーガニックではない綿」と分けて扱わないといけない決まりがあります。
こちらではアメリカ、トルコ、ウガンダ、インドなどの綿を使用していて
取れる場所によって綿の特徴が違ってきます。
綿の特徴というと基本的には「長さ」と「繊維の太さ」がメインとなり
他に短い繊維がどれくらい入っているか綿の茎や葉っぱのカスなどが
多い少ないなどが場所によって変わってきます。
アメリカのアカラは長綿と呼ばれる部類になって繊維の長さが28mm・29mmの長さの綿になります。
アルティメイトの場合は35mm・36mm・37mmで
太さはマイクロという単位を使用して大体4,1ぐらいの標準的な太さです。
この繊維一本一本が長ければ長い程綺麗な糸ができます。
この青い塊1つで大体240㎏とか250㎏ぐらいの重さがあります。
この塊1つからどれくらいの長さの糸が出来るんですか?
ゴミなどを取り除いて181㎏ぐらいの糸量になります。
それだけゴミが付いてたりするんですね。
そうですね。ゴミや繊維の短い物があったりします。
これから工場で紡績をしていきます!
圧縮されている綿を機械に入れてほぐしたりゴミなどを取っていきます。
海外の場合は機械で乗せていくそうですが
この工場では人手で綿をとって機械の上に乗せていきます。
例えばアルティメイトと普通の長綿を混ぜるなど
お客さんの要望を聞いてやっていきその都度割合を変えているので人手で行っています。
2種類か3種類の綿を均等に混ぜて入れていき機械に通します。
混ぜてる時にある程度のゴミなどが下に落ちていく仕組みになっています。
それ以外にも圧縮されていた綿をほぐしたりします。
ある程度ほぐれたらダクトの中を通って次の工程に送られていきます。
アルティメイトやスビンゴールド専用の機械になっていて
繊維長が長く損傷しやすいので回転数を遅くしてゆっくり糸を出していきます。
この機械には全部針が付いていてさらに細かくほぐす作業が行われています。
ある程度ほぐれてきました。
まだよっても糸にならないんですか?
糸にはなるんですが綺麗な糸にはならないです。
まだ繊維一本一本がちぢれた状態になっているのでこれを真っ直ぐにしていきます。
先程の工程で出来た糸を8本以上並べて重ねて8倍ぐらい引っ張ります。(写真左上)
また、短い繊維だけを15%ぐらい取り除いていき短い繊維と長い繊維を分けていきます。
短い繊維と長い繊維を比べると全然違います。
先程、縮れていた状態からここまで真っ直ぐになりました。
この工程でちぢれた状態からどこまで真っ直ぐ出来るかで品質が変わってきます。
またここで8倍ぐらい引っ張って
ある程度糸に近づけた太さにしていきます。
ここでは糸の決められた太さとより数を仕上げていきます。
今度は30倍ぐらい引っ張っります。
リング精紡になってますね。
リング精紡と呼ばれるのは
リングという部品を使って糸を作るのでそう呼ばれているんですよ。
こちらは120番の糸で非常に細いです。
細くて張力が弱いのでゆっくりゆっくりと作っていくので30時間以上かかります。
そして最後に円筒の紙菅に1kgか2kg巻き上げます。
また、この機械にはセンサーが付いていて太い接線や細くなりすぎている所をカットして切れ端をもう一回繋ぎ直します。