【洗濯縮みは何故起きる?】Tシャツを洗濯実験して分かった驚きの結果とは・・・
来春のTシャツ再販復活を目指して
Tシャツの生地
Tシャツの糸から
開発しているところです!
先月のコラムでは
「二種類の糸の使い方」で
現在検討中であるとお伝えしていました。
「二種類」の糸の使い方とは、
「双糸(そうし)」か「引き揃え」か。
双糸➡2本の糸を撚って1本にしてある糸
引き揃え➡複数の糸を撚り(より)をかけず一本の糸のように扱う糸
そこで
この二種類を洗濯にかけることで
どれだけ縮みが起きるか
実際に実験してみることにしました!
というのも・・・
新品で着るのは人生で一度だけ。
それ以降は洗濯後の着用になるからこそ
洗濯後の着用感を
大切にしたいのです。
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何故Tシャツは洗濯で縮むの?
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そもそも
何故綿のTシャツは縮むのでしょうか?
Tシャツが縮む理由は
綿の繊維が
「中が空洞のホース状」
になっているからです。
⬇ 綿の繊維はホース状になっている! ⬇
この空洞部分に空気や水分を
たっぷり含むことができるから「こそ」
ふわふわな肌触りになるし、
汗などをしっかり吸水してくれるのです。
しかし、
その吸水機能が洗濯の時も発揮されるので
洗濯縮みを引き起こす
弊害もあるのです。
綿Tシャツは紡績〜仕上げの工程で
しっかり引っ張られて
ピーンとなった状態で出荷されます。
それが着用する人の手に渡り、
一回目の洗濯が行われた時
洗濯の時の水分を綿が給水し、
布地全体がリラックスした状態に戻ります。
このリラックス状態がTシャツの『縮み』です。
実は
このリラックスした状態の方が
本来の綿の風合いが出て優しい肌触りになります。
ですから、
必ずしも縮みはマイナスではないのです。
洗った後の方がふっくらするのも綿の魅力です。
Tシャツの縮みのメカニズムは
分かってもらえたと思いますので、
いざ
洗濯実験へ!
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実験1 双糸の場合
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まずは双糸で作ったTシャツを洗濯機へ
⬇ 洗濯前 ⬇
⬇ 洗濯後 ⬇
肩幅 530 mm➡495 mm (ー35 mm)
袖丈 230 mm➡220 mm (ー10 mm)
身幅 605 mm➡565 mm (ー40 mm)
着丈 645 mm➡615 mm (ー30 mm)
という結果になりました。
つまり
双糸の場合
着丈は5%ほど縮み、
「縦より横に縮む」
ということが分かりました。
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実験2 引き揃えの場合
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次は引き揃えで作ったTシャツを洗濯機へ
⬇ 洗濯前 ⬇
⬇ 洗濯後 ⬇
肩幅 535 mm➡500 mm (ー35 mm)
袖丈 225 mm➡220 mm (ー5 mm)
身幅 610 mm➡580 mm (ー30 mm)
着丈 645 mm➡600 mm (ー45 mm)
という結果になりました。
つまり
引き揃えの場合
着丈は7%ほど縮み
「横より縦に縮む」
ということが分かりました。
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今後も実験を続けていきます!
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縮みのメカニズム上、
一回目の洗濯が一番大きい縮みになりますが、
今後も最低20回以上洗濯を繰り返して
どれくらい縮みが出るのか
しっかり検証したいと思っています。
その上で「双糸」か「引き揃え」か
糸の使い方を決めていきたいと思っています!
せっかくTシャツが復活するのですから、
納得できる一着に仕上げたいと思っています。